本来無一物、無一物中無尽蔵

日々是好日

2010年4月11日日曜日

何度も読み返すと何か起きるか

新聞で見かけた言葉をじっくり見てみます。

自信を失うな
だけどうぬぼれるな
謙虚であれ
しかし卑屈にはなるな

これだけだと記憶に残るか微妙なので、別の言葉を合体させてみます。
元マラソン選手の言葉です。

忙しい社会で皆が先を急ぐ気持ちもわかりますが、親御さんや先生には子供たちを『待ってあげる』気持ちを持って欲しい。
できないから『すぐダメ』とあきらめるのではなく『何がダメでできないのか』と表情を見ながら考えてあげる時間が新たな可能性を生む。

これは子供だけじゃなく、会社での教育にも言えると思いました。
いやいや、他人のことではなく自分のことにも言えるのではないでしょうか。
本当に慌しいこの社会、この毎日、この流れに逆らってゆっくり進もうと思います。

最近お気に入りの二人は、市川亀治郎と佐藤洋二郎です。
お二人の記事は連載なので、単発でビビッときてしまう記事や著者とはちょっと違います。
過去の記事の積み重ねがボディブローのように私を刺激してきます。
まずは歌舞伎俳優から。

歌舞伎俳優なのでハマらないと最初は思って目を通していました。
ビビッとくる言葉もこれまで特にありませんでした。
ただ、表現力が豊かで、職業柄か知識からか日本文化の勉強になる言葉がよく出てくるので、読んでいて非常に楽しいのです。
なので、「目を通す」から「ちょっと読み返してみる」へ移行することが多いです。
今回はボディブローが積み重なったのか、たまたま良いパンチをもらったのか、私はダウンしてしまいました。

タイトルは『独楽のススメ』でした。最初は何も感じませんでした。

ふと空を見上げ、その美しさにハッとすることがある。
と同時に、空を見上げる余裕さえない日々を送っている自分に愕然とする。
空はいつでもそこにあるのに。

この始めの三行は【完璧に】ハマりました。
三行すべてパーフェクトです。

果たして僕らは、彼らのように、風に季節を感じることができるのであろうか。
月の満ち欠けに、時節の移ろいを読み取ることができるのであろうか。

この二行も、「今、私が、興味を抱いていること」にピッタシな【空間】です。


生まれながらに人間が持っている五感。目で見て、耳で聴き、鼻でかいで、舌で味わい、身体で触れる。
これこそ、現代科学がどんな高度な技術をもってしても作り出せ得ない、超高性能なアンテナ。
僕らは自分の感覚をもっと信頼してもいいのではないか。

これを読んで本当に同感しました。
しかし今回の記事はどうしたことでしょう。これまでの記事でここまでハマったことはありませんでした。しかも、一部分ではなく最初から最後まで「キマクリ」です。

何事も本来の姿、あるがままに。
自然法爾(じねんほうに)
自己との対話
自己の客観視

その声はささやきに近い。
そのかすかな声を聴き取るには、世の中、余りにも雑音が氾濫している。
人間、時にはごう塵(じん)を離れ、静寂の中に一人座してみることも必要ではないだろうか。
なにも人跡稀な深山幽谷を遠くに求め、わざわざ籠ることもない。
俗世間に身を置きながらも、そのよう境地えられるのではないか。

ここも、何故今の私の気持ちにここまで一致するのかが奇妙でむしろ気味が悪いほどです。
そしてエンディングに進んでいくわけですが、本当に最初から最後までのめりこんだ記事でした。

どんなに多忙でも、極力、独りになる時間というものを作るように心掛けている。
それが、たとえ5分であっても構わない。
独りになることを恐れる人がいるが、独りでいることが孤独なのではない。
孤独とは、何もしないこと。
独りの時間を楽しむ大切さ。
【独楽】のススメ ←出たぁ~!!
誰にも邪魔をされない自分だけの時間を持っている人というのは、さながら回り続ける独楽(こま)のように、決してぶれることがない ←また出たぁ~!!!

最高のコラムでした。ありがとうございます。会ってみたいと憧れます。
次は佐藤洋二郎さん。
この方の言葉は以前にも書き留めたことがあります。
いつも掲載を楽しみにしていますが、今回は何とほぼ全文が心に止まりました。
機会があれば本も読んでみたいなぁと思いましたが、縁があれば目の前に現れると思いますのでその日が待ち遠しいです。

なぜ書くことを諦めなかったのかと思い巡らすときがあるが、それを『生きることの拠り所』にしていたからだろう。
『自分がどう生きていいか、まったくわからなくなっていた』から、小説を書くことに『すがっていた』のだ。
そのおかげでなんとか人生の道を外さずに生きてこられた。
そしてそこから学んだことは、結果が悪くなることよりも、迷って何もやらないことの方が最もよくないことだ思うようになった。
やる気があれば何とかなるし、やらなければ何も生み出さない。
失敗すれば知恵もつく。

ながい人生を生きるには、自分のしたいことをさせるのが最もいいはずなのだが、その芽を、親の不安や欲で断ち切ってしまう。
好きなことしか伸びないということも、いやなことをやればストレスが溜まることも、大人は知っているのに逆に子供達に押しつけてしまう。
勉強は勉強が好きな子が伸びるし、スポーツもスポーツ好きな子が伸びる。
それぞれの生き方をして、お互いを認め合えばいいのに現実はそうはなっていない。

人生はどれだけいい思い出をつくるかで心は豊かになってくる。
それは月並みな言い方だが、やる気を出して懸命に生きるしかない。

最後の方は「大人はちゃんと子供達に教えているのか」について書かれていますが、前記と同様に「会社での教育」にも「自分への戒め」にも言えることではないでしょうか。

次にサラリーマン冒険家の記事を書き留めます。
タイトルは【旅をして人に会おう】です。
私の脳が、ここまで書き留めてきたこととどのように関連付けるのか、もう少し読み返さないといけないかもしれません。

「自転車での世界一周って、意味あるんですか?」
大した意味はないかもしれない。でも・・・と続きます。

雪のちらつくアラスカを走っていると、ガスが出てきて見通しがきかなくなった。
日が暮れ始め、体も冷え切って限界を感じた時、道端に旅人用の無人キャビンを見つけた。
水もトイレもないが、ストーブに火を入れたときの幸福感は忘れられない。
宿帳を兼ねたノートにはオランダ人のサイクリストが
「このキャビンは人間を幸せにするのに、いかに少ない物でこと足りるか、ということを教えてくれた」
と書いていた。

豊かさとは何か。
「旅に出る前は、自分が持っていないものを手に入れていけば幸せになれると思っていた。
今は、持っているものに感謝する方が幸せに近いと考えるようになった」
アフリカの子供達に最近うれしかったことを聞くと、
「妹が笑ったこと」や「雨が降ったこと」と答える。
自分達の食べ物にも困るのに、初対面の相手を御馳走でもてなす心には驚く。
『要は気持ちの持ち方次第』

ここで、私の脳は前に書き留めた13歳の全財産と関連付けました。

我慢することを覚え、
気になることをまずやってみる。
本を読んで、
旅をして、
人に会いましょう、
と呼び掛けている。
伝えたいのは、【まず自分の物差しを大きくしましょう】ということ。
【大きな物差しを手に入れた後でしか、測れないことがあるから】

【旅をして人に会いましょう】
会うってことは、『話す』ってことでしょう。
思ったこと、感じたことを口に出してみます。

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